著者からのメッセ−ジ

ホームへ

「糖尿病を友として」「糖尿病と心の療法」の 

  著者からのメッセ−ジ

骨折で得た体験と教訓の報告(其の3)

私は医療ミスや医療方針の定まらない局面に何度も遭遇し、その都度別の医師の献身的医療によって助けられて来ました。多くの医師達は高度な医療技術を持ち患者を救済しておりますが、一部の医師の過まった医療で全体的な医療評価されております。このことは私自身が改めなければならない問題だと思っております。

『其の2』でご報告いたしましたが術後の経過が思わしくなく、膝を中心にして股関節から足首まで下半身全体に痛みがあります。大腿骨頚部内側骨折については、3種類の手術法がありそれを選択するには、患者の意志を確認して行うインホムドコンセントが原則ですが、今回は事前の説明も確認もないままに医師の独断で手術が行われました。

私自身が『人工骨頭置換術』を知らなかったことも問題ですが、一般に行われている『観血的骨接合術』についても、患者の病状や年齢によって大きく異なることを、退院後にインターネットで初めて知りました。
私の大腿骨骨折の手術方法に誤りがなかったのか、術後の治療方針が正しかったのか疑問点ばかりが浮き上がってきます。

先月の29日の診療日に整形外科の主治医に、痛みの原因や今後の治療方針について説明を受けましたが、納得できる明解な回答を得ることが出来ず、止むを得ず主治医に他の大学病院で再診療を受けることを了解して貰い、紹介状を書いて頂きました。

11月1日に大学病院へ行き診療を受けましたが、症状やレントゲン写真から見ても異常が推察されるので、股関節治療の専門医(大学助教授)の診察を受けて下さいと言われ、6日に再度診察を受けましたが懸念していたとおり、手術方法の選択の誤りや術後のリハビリ開始時期について、多くの問題点があることを説明されました。

助教授は各手術法のメリットとデメリットを説明してくださり、どれを選択するかは患者または家族の自由意志であることを強調されました。
ただし患者の病状や年齢によっては選択には医師の判断が優先することもあります。私は迷うことなく再手術になる『人工骨頭置換術』を行なって下さいとお願いしました。

人工骨頭置換の素材も手術技術も近年急激に進歩しており、術後10〜20年間は関節部の磨耗もなく、健全な歩行が出来るようになっているそうです。先の病院では通常の『観血的骨接合術』でも接合部の壊死は免れることは出来ず、いずれは再手術により人工骨へ置換しなければならず、
そうなれば患者に与えるリスクは強まる一方であることを患者に説明をしてくださいません。

今度の再手術で13日に入院し22日に手術の予定ですが、入院から手術日まで長い期間があるのは、この期間中に内分泌・循環器・神経内科の検査を行い、手術に支障がないように事前に確認するための配慮です。また術後も経過観察のため月に1度の受診が当分ありますので、この際に内科診療を始め眼科・泌尿器科など全て転院することに決断いたしました。

これは現在の医療制度に大きな欠陥があるためではないでしょうか?患者が受ける権利と病院が為さなければ成らない義務に、大きなギャップが有る事は福祉国家として恥じべきことですが、そのことに医療関係者の何割が気が付いておられるのか疑問に感じます。

今回も入院して直ぐに内分泌内科の診療を受けましたが、診療に当たった医師から思いもよらない発言があり、いきなり出鼻を挫かれてしまいましたす。
入院中の医療方針について私の意見も聞かずに、いきなり「この様に行います」と血糖測定の回数と使用するインスリンの種類と量を示されて「全て看護師が行ないますのでそれに従って下さい」との指示です。

私の現状の医療実態と余りにも異なる医療方針に、直ぐに言葉が出ませんでした。気を静めて医師に現在の状況を説明しました。「血糖測定もインスリンの注射量も全て自己管理をしており、R注はスライデングスケールで体調によっては変更することもあり、一定の枠に嵌めた管理は血糖コントロールを乱すだけなので、看護師の管理下に置かれることはお断りします」と返答。

医師は「なぜ1日4回の血糖測定が必要なのか、これではセンサーは4箱では間に合わず5箱が必要になるが、当院では4箱以上は出しません。患者がどうしても必要なら自費で購入して下さい」と言われ、厚生労働省の通達を伝えますと「その様なことは関係ない、当院は福祉事業をやっている訳ではない、飽く迄もお金を儲けるための営利事業であり、病院が損をするようなことは事務局が黙認はしてくれない」と明言されました。

更に、「病院に不利になる療法を重ねると私自身の身分が保証されず、いつリストラされるか判らず、その時に誰が我が家の生活を守ってくれますか?」と、医師にはあるまじき発言があり、私は唖然として二の句を告げることが一瞬出来ませんでした。気を取り直して「患者の立場はどうなるのか、貴方の理論だと患者に対する医療倫理は全く形骸化しており、医師として恥ずかしくないのですか?」と反論いたしました。

これでは何時迄話し合っても医療理論は噛み合いません。その時はそこで話を打ち切り後日再度話し合うことになりましたが、私としてはもうこの医師と言うよりこの病院の医療理論に付き合いきれないと感じました。唯、今後この病院で整形外科の診療を含めた総合的な診療を受けることになった時にどう対処すべきかそのことで頭の中がいっぱいでした。

本題の『大腿部骨頭置換手術』ですが、前回の局所麻酔と異なり全身麻酔を行うためリスクも大きく、心拍停止や血圧の異常低下,血糖値の急激な低下などの異常が発生した時は手術を一時中止して、異常症状の対応を優先させることを予告されました。又、汚れた血液を排出するため大量の輸血が必要であることも告知されました。然し、医師が心配された手術中の様態の急変は幸いにも起こらず、無事に予定の時間通りに終了いたしました。

後で助手を務めた医師のお話ですと、これだけの糖尿病の病歴を持つ患者が何のトラブルもなく順調に執刀できたのは、患者の日頃の血糖コントロールが良好であったからだと、お褒めの言葉を聞いた蒔は日常の自己管理の重要性を再認識致しました。

大腿部骨折と言うと一般的には【重傷】の部類に属します。私自身17年前に交通事故で左足大腿部を骨折した時は、5ヶ月間入院し1ヶ月のリハビリを受けて6ヶ月間休職した経験がありますが、現在では関節部の人工骨置換と言う大手術を行ってもベットで動けなかったのは、僅かに10日間程度でその後は車椅子で自由に行動が取れ、20日位で手術した右足に全体重を掛けて自分の足で歩くことが出来ました。

今後は二度と卒倒などのトラブルが起きないように、十分な配慮と予防策が必要になります。そのため内科的な対処として外出時の自力歩行は依然として禁止せざるを得ず車椅子の生活になりますが、整形外科的な見解は自力歩行を実施しなければ、下肢の筋萎縮は進行し回復することなく衰えて行くだけだそうです。この二者託一の選択は私にとっては重大な決断であり、当面は様子を見ながら両方を併用させながら生活様式を確立させて行く予定です。

医学の進歩は臓器移植に見られるように、一人のドナーから何人もの人の命が救われたり、糖尿病などで下肢の動脈硬化で血流が悪くなって壊疽の危険性のある場合の膝から足甲にかけての血管バイバスの移植は、すでにアメリカでは普及しており日本でも一部の病院では実施しております。

又、冠状動脈の閉塞が発生した時の血管バイバスの移植などは特定の病院で専門的に実施しており、多くの患者が救われている実状を見聞するにつれ、我々は医療の恩恵を受けながら人間としての生命を堅守していることを再確認し感謝しながら、医療倫理の正常化に向けて医学界全体が進展して行くことを折に希望して終結と致します。

E-mail  takatetu3@ybb.ne.jp
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


  糖尿病と心の療法  著者 高 橋 高


   

ホームへ